2026年1月27日、韓国株式市場は極めてドラマチックな展開を見せている。ドナルド・トランプ米大統領による突然の関税引き上げ発言を受け、朝方は売りが先行したものの、その後は怒涛の勢いで買い戻される展開となった。

日本時間14時19分現在、韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比104.09ポイント(2.10%)高の5,053.68をつけており、心理的節目となる5000ポイントの大台を鮮やかに回復した。直近1年間のトータルリターンが102.73%に達するという、歴史的な強気相場の底堅さが改めて示された格好だ。

トランプ発言による「朝のショック」から急反転

この日の市場は、波乱の幕開けだった。トランプ大統領が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」において、韓国製品に対する関税を貿易合意以前の水準へ引き上げると示唆したことが引き金となり、KOSPIは前日比0.34%安の4,932.89で寄り付いた。その後も売り圧力は止まらず、一時4,890.72まで下落し、投資家心理を冷やした。

トランプ氏は投稿の中で、「韓国の立法府が米韓合意を遵守していない」と強い不満を表明。「これに伴い、自動車、木材、医薬品およびその他すべての相互関税を現行の15%から25%へ引き上げる」と宣言した。これは、韓国側が米国への投資約束を履行するために必要となる「対米投資特別法(米韓戦略的投資管理のための特別法案)」が、韓国国会で足踏みしている現状を指弾したものと見られる。

しかし、市場の動揺は短命に終わった。下落局面は絶好の押し目買いの好機と捉えられ、指数はすぐさま上昇気流に乗った。日中の安値から一気に切り返し、高値では5,061.56まで上昇するなど、トランプ砲による悪材料を完全に消化した形だ。

自動車株の乱高下とKOSDAQの躍進

セクター別では、関税引き上げの直撃弾を受けると懸念された自動車関連株の動きが象徴的だった。現代自動車(ヒョンデ)と起亜(キア)は、寄り付き直後にそれぞれ6.8%、5.9%と急落する場面が見られた。しかし、市場全体のセンチメント改善とともに買い戻しが入り、現代自動車はその後50万ウォン近辺まで値を戻すなど、驚くべき回復力を見せている。

新興企業向けのKOSDAQ市場も同様の軌跡をたどった。前日に4年ぶりに1000ポイントの大台を突破し、2004年の指数改編以降の最高値を更新していたKOSDAQは、この日も朝方は反落して始まったものの、すぐにプラス圏へ浮上。一時は1081.20まで上昇し、現在は前日比0.38%高の1068.45近辺で推移している。

揺れる為替市場、ウォン安への回帰

株式市場が強気を取り戻す一方で、為替市場ではリスク回避の動きが見られる。ソウル外国為替市場におけるウォン・ドル相場は、前日の日中取引終値(1440.60ウォン)から8.5ウォン円安ドル高が進み、1ドル=1449.10ウォン近辺で取引されている。

為替相場を巡っては、去る21日にイ・ジェミョン(李在明)大統領が「1〜2ヶ月以内にレートは1400ウォン前後まで下がるだろう」と発言したことを受け、4日連続でウォン高が進行していた。しかし、今回のトランプ大統領による関税リスクの再燃を受け、5営業日ぶりにウォン安方向へと反転した形だ。政治的な不確実性が再び高まったことで、投資家の不安心理が為替レートに反映されていると言えるだろう。

財務データが示す市場の過熱感と実力

現在のKOSPI市場を支えているのは、圧倒的な流動性と企業業績への期待感だ。株価収益率(PER)は21.42倍、株価純資産倍率(PBR)は1.59倍と、決して割安とは言えない水準に達しているが、年初来リターンですでに17.45%を記録している勢いは止まらない。

30日平均出来高は約4億8000万株に上り、活況を呈している。トランプ政権による外圧という地政学リスクを抱えつつも、韓国市場は「5000ポイント時代」の定着に向けて、強烈なボラティリティの中で試練を乗り越えようとしている。